【連載】不動産投資の考え方 Vol.023 最も高く売れるタイミング
合同会社なごみのWEBサイトを閲覧いただき、ありがとうございます。
連載第二十三回は、『最も高く売れるタイミング』について解説します。
「最も高く売れるタイミング」の見極め方
資産組み替えの一環で、物件を売却するケースもあります。たとえば、戸建てを複数物件もっているオーナーから「物件をひとつにまとめたい」という要望があり、所有物件をなごみが引き取り、一棟物件に組み替えたことがあります。
個人で保有している物件の売却の目安は「長期譲渡所得」になるかどうかがひとつのポイントです。というのも譲渡する際に利益が出た場合、物件所有期間によって税率が大きく異なるからです。
不動産の売却によって生じる譲渡所得の税率が低い「長期譲渡所得」となるのは1月1日時点で、5年を超えたタイミング、つまり5年目の1月1日を迎えた後となります。次の図表4と事例A・Bをご確認ください。
●事例A
2011年4月1日に物件を取得、2017年8月1日に売却。
所有期間は6年4ヵ月、売却した2017年1月1日現在では5年8カ月→長期譲渡
●事例B
2012年4月1日に住宅を取得、2017年8月1日に売却。
所有期間は5年4カ月、売却した2017年1月1日現在では4年8ヵ月→短期譲渡
もうひとつのタイミングは「減価償却」です。
減価償却とは不動産投資にとって重要な支出を伴わない必要経費です。たとえば中古物件を購入した場合、その購入費用については、取得した年に全額を必要経費として処理することはできません。一定の年数を通して毎年、価値が目減りした分だけを必要経費として計上していきます。それが減価償却です。
一定の年数とは、法定耐用年数といって、資産ごとに法律で定められており、建物の場合は構造などによって違います。
また減価償却費の計算方法には「定額法」と「定率法」があります。
建物は、定額法により一定の額を毎年、減価償却費として計上することになります(平成10年4月1日以降に取得した「建物」は定額法を採用することが義務付けられています)。
特に築22年以上で法定耐用年数がオーバーしている木造の物件では、償却期間は4年です。個人であれば長期譲渡所得に切り替わる5年目、「短期譲渡」でも税率が変わらない法人であれば、減価償却が切れる4年目が売却を検討する目安となります。
実際に個人所有物件の売却を依頼される顧客のケースでは、5年たったからという理由が多いのです。5年より短い短期所有物件の売却を考えている方は法人をつくって、市況と、物件の入居状況のタイミングを見ながら売りに出しています。
次回は、『高値売却の為の不動産会社選び』について解説していきます。