【連載】不動産投資の考え方 Vol.046 出口戦略を見据えた収益物件購入
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連載第四十六回は、新出口戦略を見据えた売却しやすい収益物件の購入についてお話します。

たとえば利回りだけを優先して流動性の低いエリアの物件を選んだ結果、売却しようにも買主が見つかりにくくなるケースや、修繕計画や管理状態を軽視したことで売却時の評価が下がるケースも見られます。では、具体的に何を意識すべきでしょうか。まず押さえておきたいのが、所有期間による譲渡所得の税率の違いです。所有期間が5年を超えるかどうかで、売却時にかかる税率が以下のように倍近く変わります。
実際になごみへ売却を依頼するオーナーの多くが、「5年経ったから」という理由で相談に来ます。それだけ売却時期と税率の関係は、手残りに直結する重要な要素といえるでしょう。そしてもうひとつ、売却タイミングを検討するうえで重要なのが「減価償却」です。
減価償却:建物の取得費用を法定耐用年数に応じて毎年経費計上していく仕組み
たとえば築22年以上で法定耐用年数を超えた木造物件の場合、償却期間は4年です。個人であれば長期譲渡所得に切り替わる5年目、「短期譲渡」でも税率が変わらない法人なら減価償却が切れる4年目が売却を検討する目安となります。譲渡所得の税率や減価償却を含め、このように「この物件を、いつ・誰に・いくらで売るのか」という視点を購入前から持つことが、安定した資産形成への第一歩といえるでしょう。
まず、収益物件のまま売却する場合は、購入者も投資家になるため、「購入後すぐに家賃収入が得られるか」が大きな判断基準です。入居率が高く、安定した賃料が確保できている物件は評価されやすいことから、価格にも反映される傾向があります。次に、戸建や一棟アパート・マンション投資に限られてしまいますが、建物の老朽化が進んでいる場合や土地としての需要が高い立地では、更地のほうが売却しやすいケースもあります。
ただし、解体費用を差し引いたうえで、売却価格がどれだけ見込めるかを検討することが重要です。そして自己居住用として売却するケースでは、投資家ではなく実際に住む個人が買主となり、利回りではなく、立地環境や間取りの使いやすさや建物の状態などが重視されます。どの出口を選ぶかによって評価の軸は大きく変わるため、購入時点でどの売却方法を想定するのかを明確にしておくことが重要です。

一方で、以下のような立地では注意が必要となり、購入時の表面利回りが高く見えても経年とともに家賃が下落し、売却時の評価が低くなることがあります。
立地はあとから変えることができません。「10年後もこの家賃水準が維持できるか」という視点を持つことが、出口を意識した立地選びの基本といえるでしょう。
価格帯が高すぎる物件や特殊な用途に限定される物件は、そもそも購入層が限られてしまい、売却までに時間を要する可能性があります。また、多くの買主は金融機関の融資を利用して購入します。築年数や構造、借地権のような土地の権利関係によって融資条件は変わるため、将来の買主が融資を受けやすい物件か見極めることも重要です。将来どの層が購入するのかを想定し、その層にとって魅力のある物件を選ぶことが、出口戦略を有利に進めるポイントとなります。
収益物件の購入では、利回りだけでなく「どう売るか」まで購入時点から同時に考えることが重要です。売却時の税率や減価償却のタイミング、立地の将来性、次の買主がつきやすいかまで見据えて判断することで売却時の選択肢は広がり、安定した資産形成につながります。出口戦略を含めた収益物件の購入・売却についてお悩みの方は、ぜひなごみへご相談ください
次回は、様々な投資の中から不動産投資を選ぶ理由についてお話します。
連載第四十六回は、新出口戦略を見据えた売却しやすい収益物件の購入についてお話します。
出口戦略を見据えた、売却しやすい収益物件の購入基準とは
なごみが収益物件の売却相談を受けるなかで実感しているのは、「購入時の判断が最終的な売却結果を左右する」ということです。売却時に慌てないためには、購入段階から出口を意識することが欠かせません。本記事では、譲渡所得の税率や減価償却のタイミングも踏まえながら、売却を見据えた物件選びのポイントを整理します。
収益物件における「売却」を前提とした出口戦略とは?
不動産投資における出口戦略とは、購入した収益物件について「いつ・どのような形で売却するか」を見据えて、あらかじめ計画しておくことです。収益物件は購入時の利回りに注目が集まりやすいものの、本当に重要なのは“最終的にいくらで売却できるか”という視点です。家賃収入を積み上げても売却時に損失が出たり、想定より高い税率が適用されたりすれば、トータルの収益は大きく目減りします。たとえば利回りだけを優先して流動性の低いエリアの物件を選んだ結果、売却しようにも買主が見つかりにくくなるケースや、修繕計画や管理状態を軽視したことで売却時の評価が下がるケースも見られます。では、具体的に何を意識すべきでしょうか。まず押さえておきたいのが、所有期間による譲渡所得の税率の違いです。所有期間が5年を超えるかどうかで、売却時にかかる税率が以下のように倍近く変わります。
- 所有期間5年超え=長期譲渡所得:20.315%
- 所有期間5年以下=短期譲渡所得:39.63%
実際になごみへ売却を依頼するオーナーの多くが、「5年経ったから」という理由で相談に来ます。それだけ売却時期と税率の関係は、手残りに直結する重要な要素といえるでしょう。そしてもうひとつ、売却タイミングを検討するうえで重要なのが「減価償却」です。
減価償却:建物の取得費用を法定耐用年数に応じて毎年経費計上していく仕組み
たとえば築22年以上で法定耐用年数を超えた木造物件の場合、償却期間は4年です。個人であれば長期譲渡所得に切り替わる5年目、「短期譲渡」でも税率が変わらない法人なら減価償却が切れる4年目が売却を検討する目安となります。譲渡所得の税率や減価償却を含め、このように「この物件を、いつ・誰に・いくらで売るのか」という視点を購入前から持つことが、安定した資産形成への第一歩といえるでしょう。
出口戦略のパターンは主に3つ
収益物件の出口戦略として現実的に想定されるパターンは、大きく3つです。- 収益物件のまま売却=入居者がついた状態(オーナーチェンジ)で売却する
- 更地にして売却=建物を解体し、土地として売却する
- 自己居住用として売却=入居者退去後、居住目的の買主に売却する
まず、収益物件のまま売却する場合は、購入者も投資家になるため、「購入後すぐに家賃収入が得られるか」が大きな判断基準です。入居率が高く、安定した賃料が確保できている物件は評価されやすいことから、価格にも反映される傾向があります。次に、戸建や一棟アパート・マンション投資に限られてしまいますが、建物の老朽化が進んでいる場合や土地としての需要が高い立地では、更地のほうが売却しやすいケースもあります。
ただし、解体費用を差し引いたうえで、売却価格がどれだけ見込めるかを検討することが重要です。そして自己居住用として売却するケースでは、投資家ではなく実際に住む個人が買主となり、利回りではなく、立地環境や間取りの使いやすさや建物の状態などが重視されます。どの出口を選ぶかによって評価の軸は大きく変わるため、購入時点でどの売却方法を想定するのかを明確にしておくことが重要です。
売却を見据えた収益物件の購入基準
売却で差が出るのは購入段階の判断であり、出口を見据えた物件選びが将来の選択肢を広げます。ここでは、将来の出口を見据えて押さえておきたい購入基準を解説します。
家賃の下がりにくい立地か
まず重視したいのは、家賃が大きく下がりにくい立地であるかです。たとえば次のような立地は賃貸需要が安定しやすく、空室リスクを抑えられることから、将来的な売却時にも「安定収益が見込める物件」として評価されやすい傾向があります。- 駅徒歩10分以内
- スーパーや病院・学校など生活利便施設が充実している
- 人口が維持、または増加傾向にある
一方で、以下のような立地では注意が必要となり、購入時の表面利回りが高く見えても経年とともに家賃が下落し、売却時の評価が低くなることがあります。
- 駅から徒歩圏を大きく超える距離にある
- 生活利便施設が少ない
- 人口減少が進んでいる
立地はあとから変えることができません。「10年後もこの家賃水準が維持できるか」という視点を持つことが、出口を意識した立地選びの基本といえるでしょう。
次の買主がつきやすい物件か
出口戦略を考えるうえでもうひとつ重要なのが、「次の買主がつきやすい物件か」です。どれだけ好条件に見える物件でも売却時に買主が現れなければ意味がなく、将来の買主像を想定できるかは購入時点で確認しておきたいポイントです。買主がつきやすい物件の条件としては、次のような点が挙げられます。- 無理のない価格帯であること
- 需要の多い間取りであること
- 融資を活用しやすいこと
価格帯が高すぎる物件や特殊な用途に限定される物件は、そもそも購入層が限られてしまい、売却までに時間を要する可能性があります。また、多くの買主は金融機関の融資を利用して購入します。築年数や構造、借地権のような土地の権利関係によって融資条件は変わるため、将来の買主が融資を受けやすい物件か見極めることも重要です。将来どの層が購入するのかを想定し、その層にとって魅力のある物件を選ぶことが、出口戦略を有利に進めるポイントとなります。
収益物件の購入では、利回りだけでなく「どう売るか」まで購入時点から同時に考えることが重要です。売却時の税率や減価償却のタイミング、立地の将来性、次の買主がつきやすいかまで見据えて判断することで売却時の選択肢は広がり、安定した資産形成につながります。出口戦略を含めた収益物件の購入・売却についてお悩みの方は、ぜひなごみへご相談ください
次回は、様々な投資の中から不動産投資を選ぶ理由についてお話します。