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コラム

【連載】不動産投資の考え方 Vol.003 物件タイプの基本的な考え方

合同会社なごみのWEBサイトを閲覧いただき、ありがとうございます。
連載第三回では、戸建て、アパート、マンションについて、物件タイプごとの特徴をイメージしやすいように、それぞれの概要を解説します。
また、土地値物件の考え方についても解説します。

物件タイプの基本



不動産投資を行うにあたり、投資にふさわしい物件はどんなものがあるのか、物件のある地域や建物の状況によっても大きく変わるものですが、どれが良い・悪いというものではなく、それぞれの特徴を解説します。

戸建て

戸建てというのは、本来、賃貸住宅としてではなくて、実需層(マイホーム購入層)向けとして流通しています。特に新築の戸建ては、あくまで購入者が住む物件として販売されています。
それが中古となると地域や築年数にもよりますが、値段が安くなり投資対象に見合う物件になります。構造は木造が多いですが、ハウスメーカー製の戸建ては軽量鉄骨造の物件もあります。
不動産投資にお勧めなのは、いわゆる「地方」にある戸建てです。ひと口に地方といっても「地方の中でも人気のある地域」のような地域固有の視点で判断するため、一般論で語るのが難しい部分もありますが、なかには数百万円で購入できる中古の戸建てもあります。このように、物件価格が安い地域では、家賃も安いものの、ファミリー需要があるため、堅実な収益性の高い投資が行えます。

アパート

アパートは新築・中古ともに販売されています。
木造や軽量鉄骨造が多く、なかには重量鉄骨造もあります。そして、2戸程度の小さいのものから10戸以上の大型アパートもあります。なかにはひとつの敷地に複数棟のアパートが並ぶケースもあります。その場合は、「2棟一括」というような形で販売されています。
木造は法定耐用年数が22年のため、築古アパートは銀行の審査が通りにくく、それだけ安く売られていることがあります。修繕費がかかることもありますが、木造の修繕費用はRC(鉄筋コンクリート)造の物件に比べて安く、そういった費用を織り込んで物件を購入するのがポイントです。
こちらも戸建てと同様で、地方のように土地値の安い地域では、収益性の高い物件を勝人できるチャンスがあり、高利回りの物件もあります。
また、逆に都心のような土地値の高い地域では、資産性の高い街件が購入できる可能性があるのです。築年数の古い木造アパートを購入して、ゆくゆくは建て替える、もしくは、住宅地として売るといったこともできます。
新築のアパートは、建て売りアパートの販売、もしくはプラン売りといって、土地の状態で販売されることもあります。新築であれば、木造であっても長期間融資が付きやすいため、「中古物作で修繕費用がかかるのが不安」といったような投資家に人気があります。
ただし、新築アパートの場合は、中古アパートほど利回りの良い物件はありません。

マンション

マンションには、区分所有マンションといって、一棟マンションの中の1世帯だけを所有する投資と、一棟マンションまるごとのオーナーとなる投資があります。サラリーマンをターゲットに、新築区分マンションの電話営業がよく行われていますが、新築区分マンションは当初の収益性に乏しく、高所得者層の節税商品という意味合いが強いため、投資に見合うものが少ないのが現状です。
そこで一棟マンションが投資対象になりますが、新築の一棟マンションは価格が高く、一部の投資家にとってはハードルが高いようです。そんな投資家に向いているのは中古の一棟マンションとなります。
構造はRC造、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造、重量鉄骨造ですが、木造との違いは固定資産税などのランニングコストが高額なこと、それから物件規模によってはエレベーター付きであったり、消防設備の法定点検が必要だったりと管理コストがかかります。
ここは戸建てや一棟アパートとは大きく変わる部分ですので、注意が必要です。
利点をいえば、RC造は法定耐用年数が47年と長いため、長期間融資を受けやすいことです。金融機関によっては、サラリーマンに対して高額融資を出すため、今人気のある投資である一方、先述したように修繕費や管理コストの割合が高いことから、「思っていたよりも、キャッシュフローが残らない」という投資家も多くいます。ハイレバレッジをかけやすいため、よっぽど収益性の高い物件でなければ、リスクも大きくなります。


「土地値物件」はスピーディーな判断が重要!


そもそも収益物件の販売価格が何からできているのか。それは「土地」の価格で決まります。ちなみに「土地」と「建物」の価値を、それぞれ路線価や建物再調達価格から導き出される残存価格で計算したものが「積算価格」です。
では、収益物件をどのような基準で選んだらいいのでしょうか。そこでとして「土地値で買える物件」を目安にするのもいいと思います。

●積算価格の計算法
積算価格=土地価格(1)+建価格(2)
(1)土地価格=前面道路の「路線価」✕土地平方メートル
(2)建物価格=建物面積x再調達価格x(残存年数/法定耐用年数)

●法定耐用年数
軽量鉄骨19年
木造22年
鉄骨造(骨格材の厚さによって違う)27〜34年
鉄筋コンクリート(RC)造 47年

物件価格を構成する要素の中の「土地価格」は、大幅に減価されることが少ないもの。
そのため積算価格のうち、土地価格の割合が高いほど、購入時から値が大きく崩れない可能性が高く、将来も売却しやすい物件です。これが「土地値物件」です。
一方、積算価格のうち、「建物価格」割合が高い物件を買ってしまうと、建物部分は毎年減価するため、物件全体の価値は下がり続けます。
「土地値で買った物件」は価格が下がりにくいだけでなく、融資の面でもメリットがあります。こういった物件をもつことは、銀行から見て資産のバランスが非常にいいのです。
とはいえ「土地値物件」は、どの場所でもいいわけではありません。たとえば、地方の市街化調整区域に広大な土地があり、そこに家がポツンとあってても、金融機関は担保として認めないでしょう。
必然的に「土地値がある程度高い」郊外のエリアが対象となります。具体的な地名を挙げると、千葉県であれば千葉市中央区、一部若葉区、花見川区、美浜区や船橋市より以西のエリアです。
また、単価で物件を評価した場合、これは近隣条件によるところがあるので一概に語れません。たとえば、船橋市のケースでいえば、船橋駅の周辺は高単価ですが、駅から離れたエリアでは単価の低いエリアもあります。ひと口に「〇〇市の物件」といっても、土地の価値は大きく違います。
道路や土地の形状によっても、不動産がもつ価値は変わってきます。売りに出ている不動産の土地が「ベストな大きさ」に切れるかどうかで価格は変わってくるのです。
「ベスト」というのは、住宅用地として最も要のある数の土地として、売りに出せるか否かということです。つまり、大きい土地の坪単価が相場より安くなるのはある意味当然なのです。物件価格に対して土地の占める割合が大きくて、将来、戸建て用地として分譲できそうな物件は、購入を検討する価値があります。


実際の事例を紹介しましょう。サラリーマン投資家のAさんは、足立区の物件で駅からはやや離れた70年の土地付き中古アパートを購入しました。
「アパートに隣接した土地は、戸建て建て売りメーカーが分譲のために買い付ける可能性がある」という噂を、なごみは購入前に入手しました。
すると後日、前述した戸建て建て売りメーカーが、噂通りアパートの奥の土地を購入し、位置指定道路を入れました。「位置指定道路」とは、建物を建てる際、必要な接道を取るために個人(法人)がもっている土地を道路のように警備し、建築基準法上の道路として特定行政庁に認可してもらった道のことをいいます(認可を得るためにはいくつかの条件を満たす必要があります)。
基本的には建築基準法上、都市計画区域内において建築物の敷地は原則、幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建築物を建てることができません。これを接道義務といいます。
その結果、Aさんの物件は、位置指定道路によって2面接道となり、道路付けが良くなりました。2面接道になれば土地の価値が上がり、建てられる建物の条件が緩和することもあり、将来、住宅用地として土地を分割して売ることが容易になっただけでなく、不動産としての資産価値も上昇しました。
絶対確実とはいえませんが、Aさんに関していえば、なごみが紹介したアパートで将来、大きなリターンを得る可能性が出てきました。
戸建て用地としては大きすぎるアパートの土地も道路付けが良くなることが予測でき、しかも土地値で買うことができれば、将来に対する売却益のお楽しみ付きでアパート経営ができます。

また、土地の形にもポイントがあります。正方形で、前述のように接道している部分が多ければ多いほど使いやすい土地となり、土地の価値向上も望めます。
土地として実層へ売却販売をするのであれば、まず解体費を見積もることが大事です。
こういう話をすると、「では、住宅用地として不人気で割安な旗竿地(公道に接する間口が極端に狭く、細長く延びる敷地の先に、周りを他人の土地に囲まれている袋地があるような形状の土地)は買ってはいけないのだな」と考える人もいるかもしれませんが、それは不正解です。旗竿地には旗竿地の良さがあります。たとえば、駅から徒歩5分の土地が売りに出たとして、整形地であれば坪100万円ぐらいが相場だとします。旗竿地であれば70万〜80万円で買うことができます。
旗竿地のデメリットは、賃貸付けにおいてはあまり大きな問題ではありません。アパートに住む人が土地の間口の狭さを気にすることは少ないでしょうし、不整形地だからといって家賃を下げる理由にはなりません。
むしろ最近では、旗竿地の物件のほうが、大通りに面している物件よりもセキュリティー面で安心でき、割安に購入できると人気がある場合もあります。
人通りの多い道路に面した物件の1階、しかも干している洗濯物が丸見えだったら、女性はまず敬遠する物件です。奥地にあって四方が建物に囲まれている物件のほうが、セキュリティーの観点で安全であると好まれるケースがあるのです。
賃貸経営で重要な要素のひとつは、まずは駅からの近さです。土地の形状は家賃に影響しないからこそ、安く買える旗竿地は、利回りや収益の観点から見ると「投資に適した土地」といえるのです。旗竿地を買って高利回りが実現できれば、収益還元法で将来高く売却できる可能性も考えられます。

 

次回は、エリアを選ぶ基準となる『融資』についてご紹介いたします。

 

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