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コラム

【連載】不動産投資の考え方 Vol.032 なごみ代表者の投資家時代 後編

合同会社なごみのWEBサイトを閲覧いただき、ありがとうございます。
連載第三十二回も、前回に引き続き、なごみ代表者の投資家時代のエピソード後編をご紹介します。

そして、落札へ


なごみ代表者が狙いをつけた物件は、千葉県の比較的郊外にある区分マンションで、間取りは3LDKのファミリータイプです。不動産の営業マンをやっていた代表は、過去に同じマンションの別の部屋を扱ったこともあり、「一般的な相場なら少なくとも600万円で売買されるだろう」と判断しました。相場600万円物件が、競売では半額程度で手に入る可能性がありました。結果的に代表は、この物件を329万9999円で落札しました。2009年、リーマン・ショック直後の出来事でした。

競売物件を無事に商品化できた代表は、その後も競売物件を落札して再生させる手法で、自分の物件を増やしていったのです。当時、物件のタイプにはこだわりませんでしたが、自分の強みを生かして、相場を知っているニッチなエリアに限定して物件を探しました。結果、競合が少ないので、今思えばとてもやりやすかったのです。

競合といえばその当時、代表と同じように競売に参加する方がおり、代表はその方を密かに「競売おじさん」と呼んでいました。競売おじさんは普段は東京に勤めていて、趣味で千葉県内の物件を落札して、売ったりしたり貸したりしている半分不動産業者のような人でした。それから、この人をはじめ、何人かの方の投資のやり方を研究し、参考にしました。今では一般の人が参加して競売価格が高騰し、相場よりも安く買えることは難しくなってしまいましたが、当時はこのように安く物件が買えるチャンスがあったのです。

最初は代表ひとりでスタートした競売再生ですが、やがて代表の家族が協力してくれるようになりました。ふたりになったとはいえ、現金だけではすぐに資金は尽きてしまいます。そこでスピードと投資効率を上げるため、金融機関に相談していく中で、「やはり、資金調達をするなら法人格があったほうがいい」と考えるようになりました。

こうしてサラリーマンを続けながら代表が立ち上げた会社が、今の「合同会社なごみ」です。リスクを取っていきなり独立起業したわけではなく、副業の延長として石橋を叩きながら進めた起業といえます。競売物件を手に入れた場合、リフォームはかかせません。住んでいた人が荒れた生活を送ることが多いためか、物件はたいがい汚いのです。

最初は安いリフォーム業者を見つけて自分たちで分離発注していましたが、これが結構な手間でした。そんな中で「これはひとつのビジネスになるな」と目をつけた家族が、事業化することになりました。まずは自分たちでもできる分野からということで「ハウスクリーニングのピカいち」という屋号で、ハウスクリーニングとリフォーム事業をスタートさせました。これがリフォーム会社「ピカいち」の原形です。

サラリーマンの副業としてスタートした不動産投資を法人化して、付随するリフォームは別の法人で対応するようにしました。しかし、決して最初から順調だったわけではなく、最初はどの金融機関からも相手にしてもらえませんでした。しかたなく、ノンバンクから高い金利でお金を借りたこともあります。親に頭を下げて資金を工面したときもありました。


こうして、最初は身内や友人と始めた小さなビジネスも、事業を続けている中で、従業員の数も当初のふたりから徐々に増えていきました。そして、「合同会社なごみ」を通じて不動産投資をスタートさせるサラリーマン投資家も増えて、「投資家の気持ちがわかる」業者として徐々に信頼していただけるようにもなってきました。


次回は、投資目標へ最短で到達するための方法についてご紹介します。


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