【連載】不動産投資の考え方 Vol.035 不動産投資自体への向き合い方
連載第三十五回は、不動産投資自体への向き合い方についてお話します。
「不動産投資成功」の道はひとつではない!

サラリーマン投資家に不動産投資のゴールを尋ねると、「脱サラ」を目標にしている人が多くいます。そこで具体的な数字目標を聞いてみると「毎月100万円のキャッシュフロー」を挙げる人も多いようです。みんながうらやむような大企業に勤めている人でも、不動産投資で一定の規模に達すると、簡単に会社を辞めていきます。
いい会社で働いているからこそ、融資が引けて有利に進めてこられたわけですが、そのカードはもう不要という判断なのでしょう。そのとき「次は法人格で融資を受ける」などの計画があって会社を辞めるのであれば、問題はありません。ただ「今の仕事が嫌だから」だけで現実逃避のように会社を辞めてしまうのは、危険です。
仮にキャッシュフローが100万円あったとしても、言ってしまえば、その程度の売上規模の自営業者にすぎません。夢を壊すような言い方ですが、サラリーマンを辞めるというのは、「独立起業して零細自営業者になる」ことと同じ意味です。いろいろな選択肢がある中で「不動産」を選んで建業免許をもたずに、賃貸事業者一本でやっていく、不動産の中でもさらに細分化した一分野の事業でご飯を食べていくということになります。これは、それなりの覚悟をもって臨むべきなのです。なぜなら、物件を貸すことでしか利益を上げられなくなるためです。
たとえば普通の不動産業者であれば、お客さんを紹介して仲介することで利益が生まれます。賃貸管理をしてもいいですし、転売をすることもできます。しかし、賃貸事業一本でやっていくというのは、ある意味で不安定な存在です。そこをゴールに設定してしまう人が多い状況には、違和感があります。
それならば、自分の経験を基にセミナーや、コンサルティングをやるという道もあります。これをどんどんやったほうが良いでしょう。経営者が事業の多角化を考えるのは当然のことだからです。もし、このコラムを読んでいるサラリーマンのあなたが、将来、自営業者の道を選択するのであれば、周囲の雑音など気にせずに、どんどん稼いでいくことをお勧めします。
繰り返しになりますが、不動産賃貸業で独立した人のキャッシュポイントは家賃収入しかありません。そこにプラスする収入源があれば、より確実です。不動産収入とは別に、収入は下がっても自分の好きな分野で無理のない範囲で働く、特技を生かした分野での起業など、収入の2本柱をつくるべきです。
サラリーマンからのリタイアーそれはゴールではなく、自営業者への道のスタートなのです。道は一本ではありません。どんな道を歩むかは投資家次第です。なごみは、それぞれのゴールに向かって歩む皆さんの、よきパートナーであり続けたいと考えています。
次回は、再び特定ケースでの対応のお話に戻り、「築古物件の評価ポイントと販売戦略」についてお話いたします。